副会長 馬場一廣(高3回)

当会、三野定会長は去る11月29日、肺ガンのため83歳で逝去されました。慎んでご冥福をお祈り申し上げますとともに、三野会長を偲びつつ、東京福中・福高同窓会の更なる飛躍と発展を願わずにはいられません。
三野会長は福中から旧制福高、九大と進まれ、建設省で道路建設の専門家、責任者として活躍。近畿地方建設局長を最後に退官、東日本道路公団理事・技師長、さらに住友建設会長を経て相談役をされていました。
その三野会長を語るとき、「道づくり」という言葉が真っ先に頭に浮かびます。一つは国内外での実際の道路建設であり、もう一面は業界団体をはじめ県人会や同窓会など組織・団体の道(目的・目標)づくりの優れたリーダー、道しるべ役としての活躍です。
アジア、アフリカ、中近東各国の発展を願って現地で道路建設を指導されたときの熱い想いは、住友建設時代に書かれた2冊の著書『海の彼方の道づくり』『続・海の彼方の道づくり』を通して知ることができます。かつて、竹下登元首相が三野会長に「君はヨコメシができるそうですね」といったというエピソードも聞きました。道路建設と同時に、もう一つの道づくりを堪能な英語で語りかけていたのだと思います。
会長のこうした活動は世界的にも高く評価され、1991年にはIRF(国際道路連盟)の「マン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたほどです。
また、会長はご多忙のなか、同窓会役員会にも積極的に出席され、私たちに高い識見からお話しされていたのが強く印象に残っています。1月23日にホテル・オークラで開かれた住友建設の「お別れの会」でも、さまざまな分野の皆さんが三野会長の人柄と思い出を懐かしんでいましたが、老若男女を問わず親しくされ、そして尊敬されていた実に幅広い人格と高潔なお人柄の持ち主でした。
そうした人生の達人だからこそ、多士済々の私たち同窓会の会長として抜群のまとめ役ぶりを発揮されたのだと思います。
同窓会活動について三野会長は、21世紀を迎えた昨年の本紙の会長あいさつで「何かを共有する者が集まって語らい、語らいの中に自ら生きがいを見つけ、互いに励ましあう、それが同窓会です」と書かれ、最後に「新しい世紀に『何を期待するか』というよりも、『何をするか』と考えるべきかもしれません。本年が皆さんにとって、佳い世紀のスタートの年になることを祈っています」と結んでおられます。
福中時代、剣道で鍛えた三野会長の凛としたお姿に会うことも、もう叶いませんが、私たち全員、その道づくりの心と道しるべを引き継ぎ、努力して参ります。どうぞ、やすらかにおやすみください。